ベアリング電食対策 モーターケーブル

接地電流は、モータベアリングを流れ、フルーティングなど電食によるベアリング損傷を起こさせ、早期にモーターを故障させる原因となります。

そういった原因をケーブルで回避するため、LAPPのソリューションは、3+3心、シンメトリック構造のモーターケーブルをご紹介いたします。

[効果]

◎アースへの誘導電圧を最小限に抑える
◎それによりアース回路に流れるコモンモード電流も最小限に抑える
◎フルーティングによるベアリング損傷やモーター故障を防ぐ

 

まずは、通常の4心動力ケーブルと3+3心(シンメトリック構造)のモーターケーブルの2本のケーブルを比較してみましょう。

 

[4心ケーブルの場合]

 

モーターに電圧が印加されると、図の赤線のように各相導体がアース線に電圧を誘導します。

 

それぞれアース線に対する距離を見てみるとR相とT相は同じ電圧を誘導し、S相はより小さな電流を誘導しています。

 

三相導体はすべて、誘導電圧と同様に、互いに120度位相がずれています。

3つの電圧を合計すると、アース線には、決して小さくない電圧が発生します。アースは回路の一部であるため、電流が流れ、モーターのベアリングに損傷を与える可能性があります。

[3+3心ケーブル(シンメトリック)の場合]

 

このケーブルは、3本の動力線、そしてその線間に3つのアース線があるため、3+3(シンメトリック)と呼ばれています。

先に進む前に、三角関数の公式について確認してみます。
三角関数の公式を用いると、位相が120度ずれている3つの同振幅の正弦波電圧を合計すると、合成電圧の結果は0になります。

 

(sin(ωt)+sin(ωt-2π/3)+sin(ωt-4π/3))=Vx=0

 

V1=sin(ωt)
V2= sin(ωt-2π/3)
V3= sin(ωt-4π/3)

 

それでは、各相からアースにかかる誘導電圧を見てみます。

①各相から時計回りに各アース線の誘導電圧を見てみます。

 

各相とアース線に掛かる正弦波電圧を見てみると、三角関数の公式より、3本のアース線の誘導電圧は等振幅ですが、120度位相がずれています。
これらの3つの正弦波を合計すると、上記合成電圧は互いを打ち消し合い、0になります。

 

②各相導体から反時計回りに各アースの誘導電圧を見てみます。

 

ここでも、3つのアースの誘導電圧は等振幅ですが、位相が120度ずれます。
よって①同様3つの合成電圧が、互いを打ち消し合い0となります。

 

③最後に、相導体から一番遠いアース線の誘導電圧を見てみます。

この場合、誘導電圧の振幅は、アース線までの距離が①②と比べ遠く、微弱になります。しかし、考えは①②同様、3つの振幅がすべて等しく、位相が120°ずれていることがわかります。よって電圧は0となります。

この打ち消し効果は、まさに、3+3心(シンメトリック)ケーブルによるものです。

 

[施工方法]

アースが3本となる本ケーブル。アース接続は右図の通り3本のアース線をまとめ、圧着端子やスリーブでかしめる方法が推奨されています。また、コンジットやアースブッシングも併用するとより効果的とされています。

LAPPでは、本構造のケーブルを扱っています。

<CEマーキング対応>

OLFLEX® SERVO 2YSLCYK-JB

定格電圧 U0/U:600/1000 V
構造:シンメトリック構造(アース3本分割型)、二重シールド
絶縁体材質:PE
シース材質:PVC
線心識別:カラーコード
シース色:黒色
シールド:ホイル+銅編組
用途:サーボモータ・屋内/屋外
難燃性:IEC 60332-1-2, EMC適合

カタログは以下よりダウンロード:

型番 導体構成 (mm²) 外径 (mm) 銅重量 (kg/km) 概算重量 (kg/km)
0036439 3 X 1,5 + 3 G 0,25 11.4 88 140
0036440 3 X 2,5 + 3 G 0,5 12.2 144 220
0036441 3 X 4 + 3 G 0,75 14.4 224 323
0036442 3 X 6 + 3 G 1,0 15.7 276 420
0036443 3 X 10 + 3 G 1,5 18.0 491 615
0036444 3 X 16 + 3 G 2,5 20.2 723 819
0036445 3 X 25 + 3 G 4 23.8 1136 1325
0036446 3 X 35 + 3 G 6 26.9 1535 1718
0036447 3 X 50 + 3 G 10 32.6 2156 2399
0036448 3 X 70 + 3 G 10 36.4 2871 3056
0036449 3 X 95 + 3 G 16 42.0 3953 4162
0036450 3 X 120 + 3 G 16 47.8 4836 5074
0036451 3 X 150 + 3 G 25 51.6 5412 6128
0036479 3 X 185 + 3 G 35 56.5 7041 7500
0036453 3 X 240 + 3 G 50 65.1 8986 9700

※在庫がない場合は、お問い合わせください。


<RU、cRU、CEマーキング対応>

OLFLEX® SERVO 9YSLCY-JB

定格電圧 U0/U:600/1000 V・1000V
構造:シンメトリック構造(アース3本分割型)、二重シールド
絶縁体材質:ポリプロピレン(PP)
シース材質:PVC
線心識別:カラーコード
シース色:黒色
シールド:ホイル+銅編組
用途:サーボモータ・屋内/屋外
難燃性:IEC 60332-1-2, CSA FT-1, EMC適合

カタログは以下よりダウンロード:

型番 導体構成 (mm²) 外径 (mm) 銅重量 (kg/km) 概算重量 (kg/km)
0037015 3 X 1,5 + 3 G 0,25 11.4 88 140
0037016 3 X 2,5 + 3 G 0,5 12.9 130 220
0037017 3 X 4 + 3 G 0,75 13.6 224 323
0037018 3 X 6 + 3 G 1,0 15.2 276 420
0037019 3 X 10 + 3 G 1,5 1 17.4 511 615
0037020 3 X 16 + 3 G 2,5 20.0 751 819
0037021 3 X 25 + 3 G 4 24.3 1204 1325
0037022 3 X 35 + 3 G 6 27.5 1535 1718
0037023 3 X 50 + 3 G 10 3 31.1 2156 2399
0037024 3 X 70 + 3 G 10 37.1 2980 3056
0037025 3 X 95 + 3 G 16 40.0 3953 4162
0037026 3 X 120 + 3 G 16 42.6 4836 5074
0037027 3 X 150 + 3 G 25 50.0 5412 6128
0037028 3 X 185 + 3 G 35 55.6 7077 7820

※在庫がない場合は、お問い合わせください。


<CEマーキング対応・ハロゲンフリーバージョン>

OLFLEX® SERVO 2XSLCH-JB

定格電圧 U0/U:600/1000 V・1000V
構造:シンメトリック構造(アース3本分割型)、二重シールド
絶縁体材質:XLPE
シース材質:ハロゲンフリーコンパウンド
線心識別:カラーコード
シース色:黒色
シールド:ホイル+銅編組
用途:サーボモータ・屋内/屋外
難燃性:IEC 60332-1-2, CSA FT-1, EMC適合

カタログはこちらをご覧ください。

 

※※以下製品シリーズについては、お問い合わせください。

型番 導体構成 (mm²) 外径 (mm) 銅重量 (kg/km) 概算重量 (kg/km)
1133514 3 X 1,5 + 3 G 0,25 11.4 88 140
1133515 3 X 2,5 + 3 G 0,5 12.4 144 220
1133516 3 X 4 + 3 G 0,75 13.9 224 323
1133517 3 X 6 + 3 G 1 15.2 276 420
1133518 3 X 10 + 3 G 1,5 17.2 491 615
1133519 3 X 16 + 3 G 2,5 20.7 723 819
1133520 3 X 25 + 3 G 4 23.8 1136 1325
1133521 3 X 35 + 3 G 6 26.9 1535 1718
1133522 3 X 50 + 3 G 10 31.8 2156 2399
1133523 3 X 70 + 3 G 10 34.6 2871 3056
1133524 3 X 95 + 3 G 16 38.5 3953 4162
1133525 3 X 120 + 3 G 16 42.7 4836 5074
1133526 3 X 150 + 3 G 25 47.8 5412 6128
1133527 3 X 185 + 3 G 35 52.6 7041 7500
1133528 3 X 240 + 3 G 50 61.9 8986 9770

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