ファクトリーオートメーション(FA)基礎

ファクトリーオートメーション(FA)とは、主に産業界の工場を自動化することによって、生産性、品質、費用対効果などを向上させる自動化システムです。

ここでは、ファクトリーオートメーションにおける、ベーシックとなる基本要素を紹介しています。

ファクトリーオートメーション(FA)とは

  • 製造サイクルの加速
  • 製品品質の向上
  • 作業時間削減、人件費削減
  • 効率的なリソースの運用により、環境への影響を軽減(例:材料及びエネルギー消費の削減)
  • 柔軟性の向上
  • 精度向上及びエラー回避
  • ヒューマンエラーの回避

入出力(IO)とは

入出力とは、すべての自動化作業の基礎であり、入力信号(入力)、コントロールユニット(伝達関数)、出力信号(出力)で構成されます。

入力→伝達関数→出力入力→伝達関数→出力

[入力]

入力とは、自動化システムにおいて、通常、適切なセンサーや測定によって取得される物理量です。

 

[関数]

関数とは、システムの応答に影響を与えます。

 

[出力]

出力とは、シンプルなケースでは、関数又はコントローラーの出力を使用して表示灯をオンする事です。一般的に、これは出力を介して作動するアクチュエータと呼びます。例えば、モーターやバルブなどが挙げられます。

入出力モデル:シンプルなコンベア

シンプルなコンベアには、2系統の近接センサーがあり、ONとOFFの切り替え可能なドライブモーターがあります。近接センサーは、コンベアの始点と終点にあります。コンベアベの始点にワークピースを配置すると、近接センサーの光軸が遮光され、コンベアが作動します。ワークピースがコンベアの終点に到達すると、2本目近接センサーの光軸が遮光され、コンベアをオフします。

シンプルなコンベアシンプルなコンベア

[入出力モデル]

入出力モデルでは、コンベアはオートメーションシステムで構成されています。入力は近接センサー光軸の遮光によって、信号をコントローラーに提供し、コントローラーは入力信号を処理し、再度、信号形式で出力を供給して、ドライブモーターをON/OFFします。

コントローラーとレギュレーターの違いとは

ここでは、例にファンを運転するモデルで説明します。

 

[コントローラー]

ファンの速度は、切替えスイッチを介して設定され、コントロールユニットは設定レベルをファンの出力信号に変換します。

レギュレーション(調節)とは対照的に、室温によるファン速度の自動調整などフィードバックは行われません。

 

これは、開ループ制御またはオープンループ制御と呼ばれます。

設定したファン強度 ➞ 切替えスイッチ ➞ コントロールユニット ➞ ファン ➞ 室温設定したファン強度 ➞ 切替えスイッチ ➞ コントロールユニット ➞ ファン ➞ 室温

[レギュレーター]

制御の原理は、温度設定をするための切替えスイッチ、温度センサー、コントロールユニット及びファンで構成されるファン制御によって説明できます。

 

-希望の温度(設定値)は切替えスイッチで設定
-室温(実値)は温度センサーで測定
-コントロールユニットは、切替えスイッチや温度センサーからの入力情報を処理
-コントロールユニットが希望の温度(設定値)を室温と比較
-出力信号に必要な調整
-ファンに出力

レギュレーション(調整)機能は、閉ループ制御です。

室温 ➞ 温度センサー ➞ コントロールユニット ➞ ファン  ➞ 室温室温 ➞ 温度センサー ➞ コントロールユニット ➞ ファン  ➞ 室温

オートメーションピラミッド

FA界などでは、下図の通り、少なくとも3つレベルを持つオートメーションピラミッドで表す事ができます。

各レベルは、すべて情報技術の観点から相互にリンクされ、データも縦横無尽に情報交換を行います。

  • 同レベル内での情報交換は水平通信
  • レベル間は垂直通信


オートメーションピラミッドでは、特にレイテンシ(遅延時間)が重要です。
レイテンシ(遅延時間)とは、データ伝送してから、受信側で情報を使用できるようになるまでの遅延時間を指します。

[フィールドレベル]

フィールドレベルとは、最下位レベルで、機械・装置/ プラントや製造ラインのすべてのセンサー(入力)及びアクチュエーター(出力)が含まれます。
ここでは、アクチュエータを制御したり、センサー信号を受信したりするレベルで、プロセスを正しく、スピーディー、さらに機能的に処理するために、少量データ量で、レイテンシを最大限に抑える必要があります。

  • データ量:一度に数バイトのみの送信
  • レイテンシ:数ミリ秒以内の送信

[コントロールレベル]

コントロールレベルとは、プロセスを制御するすべての自動化コンピューターシステム(例:PLC)が含まれます。

PLCを例にすると、PLCはフィールドレベルのセンサー / アクチュエータに接続され、それぞれシステムの一部を制御します。PLC同士も相互接続されており、上位レベルにも接続されています。

  • データ量:数バイト~数キロバイト
  • レイテンシ:1秒未満

[MES / ERPレベル]

製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)レベルは、コントールレベルに直接接続されているため、生産量などの生産データがPLCなどから読み取られ、現在の機械の稼働状況に基づいて調整されます。エンタープライズリソースプランニング(ERP:Enterprise Resource Planning)レベルでは、資材所要量計画(MRP:Material Requirements Planning)など、企業のリソースを管理・計画できます。

  • データ量:数メガバイト~ギガバイト
  • レイテンシ:数秒

オートメーションシステムの種類

産業オートメーション技術では、生産プロセスの自動化が区別されます。

[生産の自動化]

  • フォーカス:プロセスの制御
  • PLC(プログラマブル・ロジック・コントール)ベースの制御
  • 10〜100ミリ秒ごとにセンサーデータをキャプチャ
  • 連続生産と個別生産に細分化
  • 最終生産される製品は、多数の原材料、材料、外部調達部品から作成
  • 多くの場合、多数の製造や組み立てプロセスが必要
  • 生産プロセスは、作業スケジュール(生産段階及び組立段階の仕様)と部品リスト(製品を構成する各部品を示す)から成り立つ

[プロセスの自動化]

  • フォーカス:プロセスの規制(調整)
  • 従来は完全にPCS(プロセス制御システム)ベースでしたが、現在は小~中レベルの複雑なプロセスは、PLCベースで行う場合もある
  • 通常は非常に分散化された構造であるため、分散制御システム(DCS:Distributed Control Systems)と呼ばれる。
  • 100ミリ秒~数秒ごとにセンサーデータをキャプチャ
  • 基本的に、プロセス関連の操作と、混合・加熱・分離・合成などの化学反応プロセスオートメーションの自動化
  • 連続生産、不連続生産、キャンペーン用生産は区別
  • 部品リスト及び作業スケジュールに代わり、プロセスの説明、メーカー仕様及び方式を使用

ここでは、ファクトリーオートメーション(FA)における基礎的な知識を紹介しました。
弊社では、このような自動化システムにおけるケーブル・ケーブルグランド・コネクタ・ハーネスなどの分野で最適なソリューションを提供しております。

次の記事を読む:ファクトリーオートメーション(FA)システム構成

ファクトリーオートメーションにおいて重要なシステム構成について紹介しています。

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