【事例紹介】自動車製造のプレス機・プレスラインーSchuler AG

最大40％の省電力！

Schuler AGは、LAPPケーブルを使用することで、プレス機及びプレスラインの効率的で円滑な稼働を実現しています。

[目次]

　　１．課題

　　２．ソリューション

　　３．使用製品

　　４．お客様概要

課題

自動車産業における国際的競争は絶えず激化しており、特に製造における効率の重要性がますます高まっています。

すべては、厚さ最大2.5mmの鋼板を目的の形状に成形することから始まります。ドイツ、ゲッピンゲンを拠点とするSchuler AGの革新的なサーボプレスは、このプロセスにおいて、ますます重要な役割を果たしています。金属成形技術の大手サプライヤーであるSchulerは、すでに200を超えるプレスラインとServoDirectテクノロジー（SDT）を使ったプレス機を世界中に提供しています。Schulerでは、LAPPのコントロールケーブル、動力ケーブル、データケーブル及びBUSケーブルを使用しています。

ServoDirectテクノロジーを使ったプレス機及びプレスラインは、特に強力で、大きな利点がいくつかあります。例えばSchuler のサーボプレスを使えば、純粋な油圧式のプラントと比較して、少なくとも30%も多く部品を成形可能で、また同じ出力量で最大40％の電力を節約できます。更に、1メートルあたり最大出力750kWのモーターで、高効率という利点もあります。1つのプレス機には、最大4つの強力なドライブを格納できます。このドライブは、高トルクが特徴的で、最低速度でも稼働開始できます。モーターが非常に小型であれば、プレスライン内の部品を搬送するための供給システム（Schulerのクロスバーフィーダー）に、このモーターを大量に取付けることも可能です。

ダイナミックで直接制御可能なサーボモーターにより、成形段階前と後の両方で、ラムの動作を減速又は加速できます。その結果、サイクルタイムが短縮されます。これはフライホイールドライブを使った従来のプレス機では不可能です。サーボプレスの速度及びストローク速度は、最大成形速度によって決定されます。コンピュータで、複雑で相互関連する動作順序をシミュレーションすることで、サーボプレスのエネルギー消費及び生産性の効率をさらに向上できます。これにより、動作及び柔軟性の観点からServoDirectテクノロジーの可能性を最大限に活用できる形で、プレスのコンポーネント成形を補助するツールを設計できます。

プレスライン内の電気ケーブルに対する要件は、相応して厳しくなっています。「効率的な稼働のためには、全体の負荷に耐える必要があります」と、Schulerの自動車プレス技術分野の電気技師責任者であるGert Horn氏は説明します。LAPPのケーブル及び接続技術が、Schulerのサーボプレスライン及びプレス機の大部分に採用されているのはこのためです。サーボプレスラインには、平均して約55 kmのケーブルが設置されています。大部分は、モーター用のコントロールケーブル及び動力ケーブルだけでなく、データケーブル・バスケーブルでも構成されています。ケーブルは合計160台のドライブに電流を供給するだけでなく、プラント全体の監視及び制御に必要な膨大な量の情報とデータを伝送します。

Schulerは、LAPPのコントロールケーブル、動力ケーブル、データケーブル、BUSケーブルを使用しています

ソリューション

Schulerでは、モノブロック・サーボプレス（溶接テーブル、スタンド、ヘッドピースを備えた溶接部品で構成され、重量は最大800トン）に、主にOLFLEX® CLASSIC 110接続及びコントロールケーブルを内部配線に使用しています。

OLFLEX® CLASSIC 110ケーブルは、例えば、プレススタンドへのケーブルの取付け、制御盤への接続ケーブル、潤滑油ユニット又は機械のソケットパネルの供給及び排送ラインとして使用されます。Schulerは、その箇所の表面実装ベースを配電盤として使用しています。ここでは、OLFLEX® CLASSIC 110を使用して、4つのアースソケット、4つのマシンランプ、ガードドア・リミットスイッチ、またラム平衡化用の圧力スイッチへのラインが接続されています。

また電界の影響を考慮する必要がある場合は、シールド付きOLFLEX® CLASSIC 115 CYも使用されます。Profibusの接続の場合、モノブロック・サーボプレスに、UNITRONIC® BUS PB FD P及びUNITRONIC® BUS PB FD PAデータネットワークケーブルを使用しています。

はるかに大きなG1サーボプレスラインの場合、機械フレームはテーブル、スタンド、ヘッドピースを備えた床式構造で組み立てられます。こうしたプラントは長さ約85メートルほどになることが多くあります。通常、最大6台のサーボプレスが相互に接続され、段階的にボディパーツを仕上げていきます。

プレスラインの押圧は約9,000トンです。ここでは、ポリウレタン（PUR）アウターシース付き耐摩耗性OLFLEX® CLASSIC 400 Pコントロールケーブルを内部配線に使用します。例えば、モーター、リミットスイッチ、ソケットを複数の配線端子箱に接続します。Schulerの電気部門のアセンブリマスターであるHorst Welz氏は、次のように説明しています。「この箇所では、油霧などの高応力に耐えるとりわけ高品質のケーブルが必要です。」

当然、ツールの加速度が増すと、エネルギー供給システムとその部品及びケーブルに対する要件が厳しくなります。ここでの張力、せん断、曲げ、ねじり荷重はすべて、求められる最大の耐久性及び最小スペース要件に加え、重量の軽減と、より小さな最小曲げ半径の要求とも調和させる必要があります。

そのため、Schulerでは稼働中にケーブルが曲げにさらされるので、OLFLEX® FD 855 P及びOLFLEX® FD 855 CPが使用されています。例えば、絶えず上下に動作し続けるラムにヘッドピースを接続するために使用されます。このOLFLEX® CLASSIC FDケーブルは、低粘着性の表面、耐油性、ハロゲンフリー、難燃性のため、過酷な条件に耐えることができ、ケーブルキャリアで最大500万回の交互曲げサイクルに対応できます。

さらに、ピーク負荷を回避するために、サーボプレスには標準のフライホイール技術も装備されています。「もはやドライブとしてではなく、電気モーターの形をしたエネルギー貯蔵ユニットとして」とGert Horn氏は語ります。「プラントの下にある地下室に設置され、継続的に稼働しています。エネルギー貯蔵ユニットは、プレスラインの電源に深刻な負担をかけるピーク負荷に対処できるように設計されています。」これまで、ライン内の各プレスには、独自のエネルギー貯蔵ユニットがありました。

Horst Welz氏は次にように述べています。「LAPPはケーブルにおいて、品質と優れたサービスを象徴する大手ケーブルメーカーであると考えています。生産損失を回避するため、弊社のサーボプレスには最高級のもののみを使用しています。」