【事例紹介】ウィンブルドン・センターコートの引き込み式屋根
LAPPソリューション:ウィンブルドン・センターコートの引き込み式屋根
ウィンブルドンではもう雨による試合中断の心配はありません。2009年以来、かの有名なウィンブルドンのセンターコートでは、耐候性の開閉可能な屋根がついたことで、雨などのトラブルや試合の中断なく、楽しくスポーツ観戦できるようになりました。屋根は非常に洗練された構造になっており、約7,500本の傘に相当する表面積を有しています。屋根の複雑な引き込み式システムに使用されているケーブルはLAPP製です。
課題
2004年、SCX Special Projects Ltdは、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club)から、センターコートに耐候性の引き込み式屋根の設置を依頼されました。
スペースの関係から、従来の引き込み式屋根は不可能でした。そのため、建築家はアコーディオンの蛇腹に似た複雑で特別な構造を発案しました。


ソリューション
アコーディオンの蛇腹に似た折り目付きの特別な引き込み式屋根は、重量が1,000トンあり、時速最大70 kmの風速に耐え、ボタンをクリックするだけで10分以内に開閉できます。5,200平方メートルの防水性で半透明の素材でできた特殊なTENARA(テナーラ)生地を展開するには、36個の電動リニアドライブが必要です。さらに、屋根の制御には、214個のモーター駆動部品が使用されます。これらは完全に自動化されており、互いに完璧にフィットして機能します。
複雑な開閉機構には、一定の曲げに耐えると同時に、優れた耐候性のある高柔軟性の電気ケーブルが必要です。機能上の制限を回避し、各モーターの相互制御及び移動を調整するために、LAPPの高品質なOLFLEX® SERVO FDシリーズが使用されました。


使用製品
OLFLEX® SERVO FDケーブルは、接続ケーブルとコントロールケーブルを組み合わせたもので、必要なケーブルの本数、また組立時間を削減できます。耐候性、高柔軟性、低粘着性のアウターシースにより、このケーブルは試験条件下で500万サイクル以上に合格しており、安心してウィンブルドンで永続的に使用できます。


成果
耐候性の格納式屋根の設置により、雨による試合の中断は過去のものとなりました。屋根は予定通り、2009年の選手権に向けて完成しました。シュテフィ・グラフ/アンドレ・アガシ対キム・クライシュテルス/ティム・ヘンマンの試合にて、約1万5千人の観客の頭上で、屋根が使用されました。


お客様概要
1877年以来、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブは、ウィンブルドン選手権を主催してきました。元々、このイベントはクラブ会員とその友人や親戚のための娯楽用トーナメントでした。それから何十年にもわたって、ウィンブルドンは伝説的なものになり、今では世界で最も権威のあるテニストーナメントの1つとなっています。
※記事内容は執筆当時のものです